2009年4月11日土曜日(晴れ)



果樹と聞くと、林檎、梨、葡萄、桃、桜桃、キウイ、李など、御馴染みの果物を連想しますが、忘れてはならないものに梅があると思います。
食品として多種多様に加工され、保存も効き、体にも良い、また花も綺麗で良い香りがする。
樹の寿命も長い。
特に梅干の存在は大きいものです。
沢山ある果樹の中から、この世から消えてしまったら困るものを挙げよ。言われたら、真っ先に何を挙げますか!?(^^)
私はやはり梅を挙げると思います。
私たち日本人にとっては昔より愛用されており、果樹の中では王道を歩いていると言っても過言ではないかもしれません。

そこに着目した私は、今回新たに三品種の苗木を購入して植え付けました。
その品種とは、加賀地蔵、特選大玉南高梅、紅映です。
既に所持している実梅は、豊後、南高梅、小梅南高、白加賀、露茜です。
また今回の苗木の捨て枝を活用し、伐採しておいた古木に高接ぎを行いました。


購入した苗木を切り詰めて、穂木として古木に高接ぎを行いました。
基本的に桃の時の高接ぎと同じ要領ですが、こちらはかなりの
太幹という事で、台木の受け口は鑿を叩いて削りました。

画像の穂木は二本とも加賀地蔵になります。
穂木は切接ぎの要領ですが、形成層に密着させる面は長めに削り、ある程度挿し込んだら、軽く金槌で叩いて台木にくい込ませるようにしました。
こうするとがっちり喰い込んで動きません。
接合部分と穂木の頭には癒合剤を塗っておきました。
念のために幹にラッピング材を数回巻いて、紐で固定しました。
ラッピング材とは梱包用のもので、短いロール状のものです。
意外と便利でした。

            画像の穂木は紅映になります。
 こちらは別の古木になります。

特選の南高梅を接ぎました。

ある意味、賭けに出ました。(^^:)
一ヶ所に一本接ぎです。(余分な穂木がないため)
黒く塗ってあるのは、腐れ防止と蒸散防止のためです。
水性塗料に殺菌剤と木工用ボンドを混ぜて台木、穂木共に
塗っておきました
乾燥を防げれば袋を被せなくても良い時期なので晒しにしました。

そんな中、少し心配な事もあります。
穂木が少し動き始めていた事です。
これが吉と出るか、凶と出るか・・・
答えが一つしかないのは間違いないことですが、苗木到着を待っての試みだったのでこうするしかありませんでした。(^^:)
新梢化していなかったことだけが唯一の救いです。(^^)
          李の花もそろそろ盛を過ぎてきました。

沢山の昆虫が訪花しているようでしたので、風媒、虫媒に任せようと思います。
果樹以外にもいろいろな花卉を植えておくと、沢山の昆虫が集まって来てくれます。
  工事していた園路も大方完成となりました。

この何処かに今回購入した梅の苗木が植えてあります。(^^)
明日は李の苗木をメインに、洋梨、ネクタリン、プルーンなどの
植栽作業が待っています。
その他、柑橘類6種の鉢上げ作業も待ち構えており、何かと忙しくなりそうです。(^^:)








2009年4月12日日曜日(晴れ)



本日は李のいくみ、恋花火、涼呂、ケルシージャパン、ニューハニーあやか、リンゴ梨の延寿、金系ラ.フランス、フレミッシュビューティー、プルーンのブルーフル、ネクタリンのストレンジの苗木を追加植栽しました。

この度、欲しいと思った品種は来年に延ばさないで、思い切って今回購入する事に決めました。
どうせ導入するなら、少しでも早いほうがその分だけ早くに果実を拝めますので。(笑)
上記のものは御馴染みのイシドウさんから、昨日お伝えした梅と柑橘類は久しぶりに国華園さんから購入しました。
今回イシドウさんに注文した苗は、規格外のものばかりでしたので、その分お安く提供していただきました。
しかし、規格外といっても、他所のお店で購入すれば、特等苗(特上)として扱われるような立派なものばかりです。
どのような管理をすると、この様に立派な苗木が出来るのか、一度見学に行ってみたいと思いました。

その他、私用等にて、柑橘類の植え付け作業は延期となりました。
平日の時間を見計らって植えたいと思います。



苗木を短くカットしましたので、画像では判りづらいと思いますが、
今回の工事により、園路を設けた両サイドに植栽しました。
将来的には李、ネクタリン、プルーンは開心自然樹形に、洋ナシは
主幹樹形に仕立てていこうと考えています。
我が家では李からバトンタッチして桃が見頃を迎えています。

画像は硬い桃で御馴染みの“おどろき”の開花の様子です。
こちらは今年イシドウさんから購入した桃の苗木です。

半根域栽培を試みる予定です。
濃い色の花が目を引きます。

この花を見て品種名が判ったらマイスターかもしれません。(笑)








答えはネクタリンのエンパイヤです。
果皮の色も濃紅になるのか楽しみです。
今年中に見るのは無理かもしれませんが。(^^:)
和梨の新高です。

開花して間もない感じです。

現在のところは主幹樹形で育成しています。
こちらは和梨の幸水になります。

新高よりも開花が遅れています。

私見では直ぐに追いつくと思います。
      リンゴの“つがる”です。

 果実が生ると、その重みで枝が垂れてきます。
 誘引をしなくても果実が生りだせば、果実の重みで自ずと
 枝は垂れてきます。
豊後に接いだ露茜です。

今頃になって芽が動き出しました。








2009年4月14日火曜日(曇りのち雨)


              早起きをして柑橘類の苗木6品種を植え付けました。

私が住んでいる地域での露地上栽培は不向きなので鉢植えでの管理になります。
今までに何度か露地植えを試みたのですが、冬になると悉く枯れてしまい、揚句の果てには、寒さに強いと言われている柚子の苗木でさえ枯れてしまう有様でした。(汗)
それ以来、当地での露地栽培は不向きと判断し、鉢植え栽培に変更して、冬の間は室内で管理をするようになりました。



こちらの苗木は国華園さんで購入したものです。

品種は、上野早生、大津4号、今津ポンカン、森田ネーブル、
宮内イヨカン、垂水1号になります。

580円均一の苗木ですが、想像していたより、かなり良質な
苗木でした。


小さめの7号鉢に植え付けました。

柚子に接いでみたいという知人がいたので、頭を10cm前後
剪めました。
こちらは昨年の春に、早生ミカンと一緒にHCで購入した
デコポンです。
確か980円だったと思います。

購入した時は上記のような棒苗でしたが、枝が出てきて
今年は沢山の蕾が付きました。

この樹を見て、意外にも早く結実しそうなので、今回の購入に
踏切りました。

金柑は昨年から収穫しているので、デコポンも早く収穫したいと
思っています。







2009年4月18日土曜日(曇りのち晴れ)



 ここ二、三日愚図ついたお天気が続き、昨夜は雷雨となり、一時的に雹が降りました。
現在梨の花が満開を迎えているので、雹により花が散ってしまうのでは?と少し心配しましたが、
本日確認したところ、何事もなかったようで一先ず安心しました。
梨の花といえば、白くて綺麗な花ですが、匂いを嗅いでみると匂いではなく、臭いと表現したくなるような
何ともいえぬ奇妙な香りに感じます。
梅や李の匂いとは異なり、梨の花の匂いを好む人はいないかもしれません。
そんな梨の花ですが、逆を考えると、昆虫達を誘引するフェロモンのようなものを出しているのかも
しれません。
桃や李などに比べると、訪花している昆虫の種類も豊富に感じました。
蜂類の他にも小さな昆虫が沢山いて、中にはハエの仲間も飛んでいました。
以上の事から、多品種を混植していれば、かなりの確率で自然受粉(虫媒)するのではないかと思います。
今日の昆虫達の様子を見ているとそのように感じました。
もちろん、同時期開花や花粉がないと駄目でしょうけど。

それと接木の明暗が少しずつ見えてきました。
失敗したものは穂木が萎れてきました。
これらは接合箇所の密着の良し悪しの他に、台木、穂木の状態、温湿管理などの様々な要因が
考えられると思います。
しかし、穂木が完全に枯れていなければ、遅れて葉芽が動き出したり、一旦枯れた葉芽(節間)などから
腋芽として再生する可能性もあるので、諦めるのにはまだ早いものも幾つかあります。

本日はそれらの観察をして見ました。



和梨が見頃を迎えております。

近くを通っただけでも臭く感じます。

私見的には良い香りだとは思いません。
どちらかというと嫌な臭いに感じます。

花は綺麗ですが。(^^:)
  蜜集めに必死の蜂ですが、体に沢山の花粉が付いているのが
  分ります。

  この様な小さな昆虫達も沢山集まって来ていました。

  貴重な訪花昆虫となります。

        判りづらいですが、羽が見えるのはハエです。

 カメラを構えた時には中央にいたのですが、シャッターを切ったら
 移動していました。(笑)
   桃に高接ぎをして失敗したものです。
   穂木が変色しており、萎びています。

 絶縁テープを剥がしてみたところ、既にカルス形成が
 始まっていました。

   想像以上に癒合が早いようです。
   こちらは貴重な穂木を頂いた“なつっこ”になります。

 穂木の保存状態がよくなかったので全滅かと思っておりましたが、
 最近になって動き出してきました。

          今後貴重な枝となりそうです。
こちらはつい先日に剥ぎ接ぎを行った(加賀地蔵)ですが、
 少しばかり芽が動き出した様に見えます。
          ビックパープルです。

おはつ桃台の根っ子に直接接いだものですが、こちらも最近になっ
急に動き出しました。
ちなみに根っ子といっても、台木には殆ど細根はありませんでしたので、
接いだ時は接木挿しのような状態でした。

穂木の様子を見ると、台木の初根(一次〜二次支根及び毛根等)が
始まったのかもしれません。
山栗に接いだ“ぽろたん”です。

こちらも少しずつですが、芽が動き出しています。
果樹とは関係がありませんが、リス小屋周辺にもカラーが映えてきました。
  今の時期、山菜の季節でもあります。

 竹の子、ワラビ、ゼンマイ、タラの芽、コシアブラなど、
 田舎ならではの山の幸を頂いております。







2009年4月19日日曜日(晴れ)



 最近寒暖の差が激しく、柿の新芽が垂れてしまったものが出てしまいました。
寒さに弱いキウイの新芽も心配ですが、今のところは元気なようです。
特に極早生種の紅妃と早雄は新梢の伸びも早く、蕾の姿も見て取れますので、
遅霜の被害にも心配しております。
この早雄は紅妃との開花時期が適合するので、着果率もかなり上がります。
それまでは、保存しておいた花粉を利用して人工授粉を余儀なく行っていましたが、人工授粉を行ってもなかなか良い果実が実りませんでした。
もしかすると親和性が合っていなかったのかもしれません。
しかし、この早雄が出現した御蔭で、その心配はなくなりました。
自然受粉のみでも良い果実が安定して実るようになり、人工授粉の手間も省けました。
今年は摘果作業を怠らずに、良質の果実を生らせるように心がけたいと思います。

またポポーの蕾がかなり膨らんできて、間もなく開花しそうです。
昨年は二つ三つの花芽が付いたものの、着果までには至りませんでした。
今年はざっと見ても15花位は付いているので、何個か生ってくれると嬉しいのですが、果たしてどうなるか、注目したいと思います。



        こちらはオス木の早雄になります。
           蕾が窺えます。
 メスの紅妃もまったく同じ進行ペースです。
 アップル、MGー06、孫悟空、ロッキーはまだここまでは
 開いておりません。
          ポポーの花です。
          間もなく開花のようです。

    チョコレートのような変わった色をしています。
     山取りしてきた三つ葉アケビです。

 一時期は20鉢ほど盆栽として育てておりましたが、
 あげたり、処分をして、最終的には4本になりました。

 現在は小さな棚を設けて地植えにして眺めております。

        毎年沢山の果実が実ります。







2009年4月26日日曜日(雨のち晴れ)



昨日から今朝方にかけて、冷たく激しい雨が降り注ぎ、果樹の作業は何も出来ませんでしたが、
雨が止んだ後はすぐさま日も差してきて、暖かい陽気に包まれました。

そんな中で本日の作業は、リンゴの静香に環状剥皮逆さ接ぎを施しました。
この樹は丸葉台に接木されており、しかも樹勢もたいへん旺盛な品種のため、花芽の付きが非常に
悪いので、今回、思い切ってこの方法を試してみる事にしました。
イチョウや栗などではよく行われるようですが、リンゴでも効果があるように感じましたので、この度
実験を兼ねての試みとしました。
また、苺農家の友人宅が苺と苗をくれるという、嬉しい連絡を受けましたので、お言葉に甘えて頂戴しに
行って参りました。



  リンゴもやっと開花してきました。

長雨の影響を心配しておりましたが、まだ咲き初めという事で
被害はありませんでした。
     (画像はニュー.ジョナゴールド)


 画像変わります。

別の画像で幹にテープと紐が巻いてあるものが環状剥皮逆さ
接ぎを施したリンゴの静香です。

幹にテープを巻き、それに沿って表皮に切り込みを入れて、
マイナスドライバーや平鑿等で捲っていきます。
今の時期は水を吸い上げているので面白いようにするりと
剥けます。
それを逆さまにして戻します。
こうする事で葉の養分が根に行かなくなり、根の活動が
抑えられて、新鞘の成長が止まり、養分が花芽の生成にまわり
花芽が付きやすくなるという仕組みのようです。
確かに幹や枝をシンクイムシなどに食われたりすると、その枝
は花芽の付きが良くなったのを枇杷で見た事があります。
内容的には環状剥皮と同じ原理だと思います。

    ※樹勢の弱いものには逆効果になり、最悪枯死しますので注意が
      必要です。
      微妙な調整は環状剥皮の幅や表皮を何割か残したりして行い
      ます
             キウイのMGー06(雌木)です。

紅妃や早雄ほどではありませんが、新梢が伸び出してきています。

             葉腋から蕾が覗いています。



             画像変わります。

          こちらはアップルになります。

 最近寒い日が続いているので、紅妃の伸びも今一つです。

  画像変わります。
       友人宅から頂いてきた苺のとちおとめです。

今年の収穫は終わりだそうですが、この様な立派な苺がまだまだ
たくさん生っておりました。
ハウスに植えてある親株は間もなく処分するという事で、もったい
ないので何株か頂いて参りました。
本日は植えられなかったので、明日早起きをして植え付けたいと
思います。
    西洋シャクナゲが見頃を迎えております。
 当地では20品種以上、30本程植えてあるでしょうか。

西洋シャクナゲは種類が豊富で日本シャクナゲより丈夫なのが
特徴です。

 夏場木陰となるような場所を好みます。


     画像変わります。
            寄せ植え盆栽の山モミジです。
            今の時期、新緑がたいへん綺麗です。

画像の盆栽は挿木して20年位の若木ですが、寄せ植えをする事
により、一つに纏まり、そこそこ見られるものになっております。

                    画像変わります。

        落葉状態の画像は冬期に撮影したものです。



































































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